終売したソフトの上に、現場の資産である過去のショーデータが乗ったままになっています。本体もインターフェースカードも新規には入手できず、動く機材が減っていくほど、そのデータで組んだ演出は再演できなくなります。このプロジェクトの意義は、演出データを機材の寿命に人質に取らせないことです。
仕込みの済んだデータを読み、タイムテーブルや外部の合図、そして音源の再生位置に従って明かりを出し続ける役です。編集機能は要りません。現場での操作はタッチパネル1枚に絞り、キーボードは使いません。小型のタッチパネル一体型パソコン1台(候補: PIPO X8 Pro)で足りる構成を目標にします。
画面を作り込んでいる最中で、いまは Windows 専用です。将来 Linux でも動かせるよう、画面まわりを薄く保つ設計方針にしてありますが、時期は未定です。まず再生機から Linux に対応させます。
現場に置きっぱなしになるのは再生機のほうです。だから「替えが利く・安い・落ちない」を優先するのは再生機側であり、そこから Linux 化を始めるのが順序として自然だと考えています。
最初から万能な再生機を目指すのではなく、まず「タッチパネルで操作する再生専用機」という具体的な形に絞って作ります。編集はしない、現場で触るのはタッチパネル1枚、という割り切りです。
「タッチパネル操作」「音楽同期」は、いずれも新しい仕組みを1から作るわけではありません。既にある部品(画面なし起動モード・LjRun の音楽同期エンジン)を、1台の再生専用機として組み合わせる作業です。
これは「やってみないと分からない」話ではありません。2026-08-17 に全ソースと各層の設定を点検し、Linux 化を妨げるものが無いことを確認しました。
| 中身の作り | 層に分けて作っており、データの読み書き・再生の計算・照明への送出のいずれの層にも、Windows 固有の呼び出しが1つも入っていないことを確認しました。OS に縛られているのは画面まわりだけです。 |
|---|---|
| 画面なしでの起動 | 再生機は既に、画面を出さずコマンドから起動して動く動作モードを備えています。新しく作る必要はありません。 |
| 照明への出力 | イーサネット経由です。特別なドライバも拡張カードも要りません。 |
| 結論 | Linux 対応は作り直しではなく、画面を外した実行ファイルを1つ用意する作業になります。 |
候補にしている PIPO X8 Pro のような機種は Android でも動きます。それでも PC 系の Linux(Ubuntu 等)を選ぶのには理由があります。手元の Dell ノートパソコンで実際に Linux 上の開発に着手し、リモート接続(SSH)で問題なく操作できることを確認しました。その過程で、Android よりも PC 系 Linux の方がこの用途に向いていると判断しています。
進捗: 開発機の Dell ノートパソコンで、Windows と Ubuntu 24.04 のマルチブート(2つの OS を切り替えて起動できる構成)がすでに成功しています。両方の OS に SSH で接続できる状態です。ここまで進めてみて、開発環境として非常に優れていると判断しています。特に、複数の AI エージェントを同時に走らせて並行開発を進める使い方とも相性が良いと感じています。
開発に使っている Dell ノートパソコンは、実際に現場へ置く機種ではなく、手元にある速いパソコンで先に動作を検証するための開発機です。現場に置く候補は、安価さとタッチパネル一体という理由から、引き続き PIPO X8 Pro のような機種を想定しています。
7インチのタッチパネルを一体化したミニPCで、対応OSに Linux が明記されています。タッチパネルを別付けする必要が無く、価格も安価なため、たたき台の候補にしています。
出典: PIPO Technology(製造元・深セン)の製品ページ / 購入先の例: AliExpress の出品ページ(X8 Pro X8R)(型番・世代によって CPU/メモリ構成に幅があります。上記は同シリーズの表示をもとに整理したもので、実機での動作確認はまだです)
評価: 製造元・仕様・購入先までここまで情報が揃い、価格も安価であれば、実機を1台取り寄せて試す価値は十分にあります。7インチのタッチパネルが一体化していて別付けが要らないこと、対応OSにLinuxが明記されていること、現場据え置きの再生専用機という用途にピンポイントで合致していること。この3点がそろっているため、候補として開発を進める価値があると判断しています。
| 本体 | 候補: PIPO X8 Pro(4GB+64GB)。他の小型パソコンでも構成要件を満たせば可 |
|---|---|
| メモリ | 4 GB |
| ストレージ | 64 GB 程度 |
| ネットワーク | 有線 LAN 1 ポート(照明への出力と設定操作を兼ねる) |
| 操作 | タッチパネル1枚(7インチ)。キーボード・マウスは不要 |
| 拡張カード・専用機材 | 不要 |
| OS | Linux(候補機種は対応OSとして明記済み。実機での起動確認はこれから) |
「対応OS: Linux」はメーカー表示であり、実機でのドライバ動作(特にタッチパネル・無線)はまだ確認していません。開発機の Dell ノートパソコンでの動作確認とは別に、候補機種そのものでの検証がこれから要ります。
候補機種がいまも Windows 10 のまま出荷されている点も、正直にお伝えしておきます。Windows 10 は 2025年10月にサポートが終了しており、これ自体は今回 Linux に入れ替える前提のため直接の問題にはなりません。ただし「今も Windows 10 のまま」という事実は、搭載されている CPU が世代として古い可能性を示す手がかりでもあります。
この候補で一番の問題は、上の表のとおり CPU が Z3735F と N4020 の2種類あり、同じ製品名の中でどちらが届くか買う前には分からない点です。N4020(2019年発売の64bit世代)であれば通常の Linux インストールで問題ありません。一方 Z3735F(2014年発売の Bay Trail 世代)は、64bit CPU なのに起動の仕組み(UEFI)が32bitという特殊仕様で、標準の64bit Linux インストールメディアがそのままでは起動しないことがあります。つまり「型番を確認すれば済む」話ではなく、同じ商品ページの中に当たり外れがあるという構成そのものが最大のリスクです。購入前に出品者へ実際の CPU 型番を確認する、あるいは複数台まとめ買いして選別する、といった対策が要ります。同じ安価な機種が長く供給され続けていること自体は、「入手性に演出データの寿命を依存させない」という今回の狙いに合致するプラス材料ですが、その裏返しとして構成のばらつきも大きい、ということです。
実際に手元に届いた機体で確認したところ、CPU は Celeron J4005 でした。Z3735F でも N4020 でもない、3つ目の型番です。まさに上で懸念した「同じ商品ページの中に当たり外れがある」ことが実例で裏付けられた形です。幸い J4005 は N4020 と同じ Gemini Lake 世代(2018年発売)の64bit CPUで、Z3735F のような32bit UEFI の問題は無いはずですが、実際に Linux が起動するかは改めて実機で確認します。
※ PIPO X8 Pro のようなミニPCは内蔵バッテリーを持たない機種が多く(未確認)、電源断への強さは別途 UPS 等が要る可能性があります。今回の開発環境の評価には影響しません。
データの読み書き・再生の計算・照明への送出の各層に、Windows 固有の呼び出しが無いことを点検して確認しました。
画面まわりを切り離した実行ファイルを用意し、Linux で読み込みから送出までを通します。手元の Dell ノートパソコンで実際に開発に着手し、リモート接続(SSH)での操作を確認済みです。
現場で触る最小限の操作(ショーを選ぶ・開始・停止)をタッチパネル向けに用意し、LjRun の音楽同期エンジンを再生専用機に組み込みます。ここまでで「タッチパネルの再生専用機」の最初の形になります。
電源を入れたら自動で立ち上がる、長時間の連続運転に耐える、いま何を再生しているかを離れた場所から確認できる、といった運用面を整えます。
制作機を Linux でも動かす段階です。時期は未定で、再生機の目処が立ってから判断します。
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