照明制御の方式変換・特殊制御
DALI / DMX512 / Art-Net / 0-10V / PWM / 接点

照明制御45年 | 方式の違う設備どうしをつなぐ現場対応

先に結論

照明制御の信号は、どの方式どうしでも変換して現場を成立させます。DALI・DMX512・Art-Net・0-10V・PWM・接点入力、いずれの組み合わせでも対応します。

DALI 以外は自社設計で実績多数。DALI への変換は既製のゲートウェイ製品を使い、その前後の制御をこちらで設計します。

仕様を限定できれば短期間で形にします。「これとこれをつなぎたい」というご相談だけで構いません。

対応する方式と実績

方式主な用途・特徴当方の対応
DMX512 舞台・演出照明の標準。1系統512chをリアルタイムに送る。調光卓・ムービングライトの共通言語。 実績多数 自社設計
Art-Net DMXをLAN(イーサネット)に載せる方式。多系統・長距離・PC連携に向く。 実績多数 自社設計
PWM 調光(DC24V 等) 器具を直接パルスで点灯。深い調光と滑らかな消え際が必要な場面の本命。 実績多数 自社設計・1万灯以上
0-10V 調光 アナログ電圧で明るさを指示する古くからの方式。設備側の調光ユニットで広く使われる。 実績多数 変換対応
接点入力 壁スイッチ、人感・明るさセンサー、防災連動、外部機器のa接点など。 実績多数 自社設計
DALI 建物設備側で普及したデジタル調光規格。器具1台ごとのアドレス制御ができる。 既製品ゲートウェイを使用 前後の制御は自社設計

現場で多い組み合わせ

DMX512 → DALI

DALI で組まれた建物設備の照明を、演出卓・舞台照明卓の側から動かしたい場合。ヘルバー(Helvar)製などの DALI システムが入った現場での対応実績があります。

接点 → DALI

壁スイッチ・センサー・外部機器の接点信号で、DALI のシーンを呼び出す構成。時間帯連動と組み合わせることもできます。

DMX512 ⇄ Art-Net

系統数が多い現場、距離が長い現場、PC やタブレットから制御したい現場での定番。

DMX512 → PWM(DC24V)

LEDシャンデリアなど、深く絞っても安定させたい器具。256段階を4096段階のカーブに割り付け、出力は 15 ビット(32768 段階)で持って、最後まで滑らかに消し切ります。

0-10V ⇄ DMX512

既設の設備調光ユニットを残したまま、演出側の制御を追加したい場合。

カレンダー・タイマー → 各方式

季節・曜日・時刻でシーンを自動で切り替える運用。無人運転が必要な施設向け。

DALI について正直に書いておきます

DALI 対応そのものは、作ろうと思えばすぐ作れます。ただしDALI では細かいフェード制御ができません。

DALI の調光値は規格上 254 段階(対数カーブ)です。当方が LED シャンデリアで行っている 15 ビット(32768 段階)の滑らかな立ち上がり・消え際は、DALI 単体では実現できません。桁が 2 つ違います。「どこまで滑らかに落としたいか」を決めて仕様を限定すれば、いつでも対応します。

実際の現場では、ヘルバー(Helvar)製をはじめとする DALI システムが既に入っている建物に、 演出側の制御を後から足すという依頼が多くあります。設備側の DALI はそのまま残し、 必要な信号だけを変換して渡す形にすれば、既存設備を作り替えずに済みます。

現実的な切り分け
深い調光と滑らかな消え際が必要な器具(シャンデリア・演出照明)は DC24V + PWM で構成し、 建物設備側の一般照明は DALI のまま残す。両者を変換でつなぐ。 これが現場でいちばん収まりの良い形です。

Helvar の機種ごとの DMX 対応(920 の DMX IN/OUT、474 の DMX512-A 入力、HelvarNet 経由の制御)と、 DALI の速度・分解能の限界については、 Helvar(ヘルバー)の DALI システムと DMX512 をつなぐ で詳しく書いています。

変換では直せないものもあります

方式変換のご相談でいちばん多い誤解が、「変換器を入れれば直る」というものです。 つなぐことはできます。ただし上流の信号そのものが揺れている場合、変換しても揺れたままです。

よくある構成

建物をまとめて総合管理しようとすると、シーン記憶型の調光システム(メモリ調光)が 建物内の照明器具をまとめて握る構成になります。そこに演出側や特殊な器具を足す段になって、 その出力を DMX に変換したり、もともと PWM で調光する器具と混在させたりします。

ここで問題になるのが「位相制御に噛んでいるかどうか」

その調光システムの出力が位相制御ベースだと、調光値の実体は 「交流波形のどこから流し始めるか(点弧位相)」でしかありません。 点弧位相は電源の状態で動きます。電圧変動・負荷・系統の乱れで実効値が揺れ、 指令値が同じでも出力が一定しません。パルスの幅が、電力側の都合で変わってしまうわけです。

揺れているものを変換しても、揺れたままです。
位相制御ベースの調光出力を PWM に変換しようが、DMX に変換しようが、 元の値が電源で揺れている以上、下流は安定しません。変換器の性能の問題ではありません。

対策は選定段階にしかありません

位相制御に噛んでいないメモリ調光——調光値をデジタル信号として送るタイプ——を 最初から選んでおけば済む話です。メモリ調光という考え方自体が悪いのではありません。 位相制御と一体になっている構成が問題なのです。

ところが、そこまで分かって選定される方は現場にほとんどいません。 結果として竣工後に「この器具だけちらつくので何とかしてほしい」というご依頼になります。 そういう現場も引き受けてきましたが、後から変換器を足しても、選定段階で決まってしまった問題は消せません。 ご相談は、機器を決める前にいただくのがいちばん効きます。

関連: 照明制御の規格をひと目で比べるLED照明がちらつく・暗くできない電源系統と安全設計

特殊制御でお困りの方へ

既製品のカタログに無い組み合わせ、メーカーが対応を断った接続、製造元がすでに無い古い設備との連携 — こうした案件を 45 年やってきました。

既製品に無い組み合わせ

方式の違う機器どうしをつなぐ、必要な信号だけを取り出す、といった一点ものの制御部を設計します。

古い設備を活かす

製造元が無くなった調光卓・制御盤でも、必要な部分だけを作り替えて延命できることがあります。

短期間で形にする

仕様を限定できれば短期対応が可能です。まず「何と何をつなぎ、どこまでの動きが必要か」を決めます。

1台だけの特注

数量が出ない特注制御部の設計・製作。店舗照明制御器は特注品だけで200件以上の実績があります。

よくある質問

DMX512 の卓から DALI の器具を動かせますか?
動かせます。DALI システムが入った建物で演出卓から制御したいという要望は多く、現場対応の実績があります。DALI への変換は既製のゲートウェイ製品を使い、その前後の制御・シーケンスをこちらで設計します。
壁のスイッチやセンサー(接点)から DALI の照明を動かせますか?
できます。接点入力から DALI へ、という組み合わせは現場で多く、シーン呼び出しや時間帯連動と組み合わせて構成します。
DALI で 16 ビット相当の細かいフェードはできますか?
できません。DALI の調光値は規格上 254 段階の対数カーブです。深い調光と滑らかな消え際が要る器具は DC24V + PWM で構成し、設備側は DALI のまま残す切り分けを勧めます。
変換器を入れれば、ちらつきは直りますか?
上流の信号が揺れている場合は直りません。位相制御ベースの調光出力は、点弧位相が電源の状態で動くため、指令値が同じでも実効値が揺れます。それを PWM に変換しても DMX に変換しても、揺れたまま下流に伝わります。位相制御に噛んでいない方式を選定段階で選ぶのが唯一の対策です。
どのくらいの期間で対応できますか?
仕様を限定できれば短期間で形にします。まず「何と何をつなぎ、どこまでの動きが必要か」を決めることが最短の道です。
方式が違う、既製品が無い、メーカーに断られた — そういう案件こそご相談ください。
つなぎたい機器と、必要な動きを教えていただければ、実現方法と期間をお答えします。
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