1999年4月吉日

村澤明生氏 の個展について

村澤明生氏 が、この度、飯田にて個展を開くことになりました。彼は、すきがら医院 建石徹 副院長の古くからの友人であり、私も面識がありますので、一言ご挨拶させていただく次第です。

彼は大学で彫刻科を専攻し、現在の仕事の内容は「彫刻」「石彫」ということになります。が、彼には、そういった表現ではおさまりきらないスケールがあります。「石」というと、重いイメージを持たれるかもしれませんが、彼が制作するオブジェには、石でありながら、石の繊細さが感じられます。そして、その繊細さが、周囲の風景・空気・花・灯りと融合している、というのが私の印象です。
石彫のみならず、花器あり、灯りを用いたオブジェあり、あるいは、庭園そのものが作品であったり、京都の割烹料亭のアプローチの設計施工を手がけたりもしています。「石彫」というより、「石を素材として、その醸し出す雰囲気全体が作品である」と表現した方がふさわしいのかもしれません。

今回の個展は、日常生活を離れて、是非、幽玄な世界をお楽しみいただけたら、と思います。

すきがら医院 院長 鋤柄 博 (日象展 理事 信州美術会 会員)

 

村澤君について

村澤明生君とは同年で、私が伊那にいる時からの親友です。

彼が武蔵野美大、私が名大、卒後の進路は、学部も大学の所在地も異なりましたが、その後も交友はずっと続いています。芸術に対する村澤君のひたむきさを私は評価し、彼の作品をずっと見続けて来ました。
最初に見た彼の作品が「土との対話」(1981)、所沢航空記念公園まで見に行きました。「面白いな、でも、大きいな!」と絶句してしまいました(長さ15メートル、作品集をご覧下さい)。この作品が、カナダの著名な建築家 Raymond Moriyama(日本のカナダ大使館を設計)・彫刻家 Kosso Eloul両氏に高く評価され、彼は弱冠27歳でオンタリオ州200周年記念の作品「Dialogue」を制作する栄誉を得ました(カナダ、1984)。実はその際、私もそれに便乗して、彼の滞在先のトロントを訪ね、数日間行動を共にしました。

彼の作品は海外でも高く評価され、本年も、オランダの著名な建築評論家Maandag氏の招きで、飯田での個展終了後、オランダで研修予定と聞きます。
彼の作品は、大きな野外作品も多く、あるいは庭園自体が作品のことさえあります。


建石 徹 (すきがら医院 内科)


The explanation was written by (his intimate friend);
Tohru Tateishi, M.D., Ph.D.
SUKIGARA CLINIC (Internal Medicine)
1-24 Suzuka-cho, Iida-City, Nagano, 395-0084, JAPAN


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